人が介在する加工の難しさに直面
課題を残しつつも納期内に完了
2002年、当社に新規部品の開発部門が設立されて以来、新規部品の立ち上げ業務に関わっています。主に大手自動車メーカーの部品を担当。今回は、岩手工場で生産する新車のサービスホールカバーを受注。組み立て設備(エプト貼り付け工程)の開発から量産に至るまでを担うプロジェクトのリーダーに抜擢されました。量産が可能となる設備仕様の構想、開発を繰り返し、設備を作成するものの、初期の頃はエプトをきれいに貼り付けることができず、製品の品質も不安定に。ローラーの動きの調整を何度も行いましたが、結局、形状が複雑なために細部までローラーでは貼り付けることができず、最終的には、人の手でエプトを貼付けるという方法で納品に至りました。
人から機械へ
時代に応じた生産設備を模索
設備の立ち上げから関わることができるという点で、商社という機能をもちつつ、設計や開発が可能な技術力があるという強みを最大限に発揮できると感じています。このビジネスモデルが仕事のおもしろさややりがいにもつながっています。ただ今回の場合もそうですが、多くの人間が関わる工程を立ち上げることは並大抵のことではなく、時間的にもコスト的にも、いかに効率よく量産体制を整えていくかが大きな課題となりました。今後は人力に頼るのではなく、機械化を進めていくことを考えなければなりません。
一方で、今回のエプト貼り付けという加工業務が成功したことで、部品だけでなく、加工の工程も含めて販売できるという、新たな事業展開につながったと思っています。
ロボット化にも着手
加工工程も含めた総合力を強化
今回のプロジェクトは計画通りに進行し、量産から1年経過しますが、いまだ不具合の流出ゼロを継続していることが何より嬉しいです。また今回のプロジェクトの成功により、新たに8車型のモデルを受注。2018年度はその中の1車を除いたすべての車型での量産体制に取り組むことになりました。また、ロボット化にも積極的に取り組み、すでに部品提供を行なっている2車型に関してはロボットを導入した量産準備を計画しています。今後の指標となるよう、さらなる開発に着手しています。ロボットの採用によるタクトの改善や部品品質の精度向上が可能となれば、サービスホールカバーに続くASSY品(部品単体ではなく、複数を組み合わせた構成部品)にも取り組んでいきたいと思っています。できることがどんどん広がることで、自分も会社とともに成長していることを実感しています。